プロフィール

生活保護の部署へ異動

はじめまして、ダイと申します。

私はある地方都市で生活保護業務に6年間従事していました。

6年前、人事異動で生活保護の部署に異動が決まった際には、かなり落ち込んだことを覚えています。

それくらい、生活保護や福祉系の部署や仕事は、職員が行きたがらない、人気のない部署です。

では、なぜ職員の間で避けられがち部署なのかを実際に経験した私が分析したいと思います。

生活保護業務は大変か?

生活保護業務のイメージは『大変』である、これに尽きます。

ただ、何が大変なのかは具体的なイメージは持っていませんでした。

他の職員からは、「大変なとこだね」と言われることが多々あります。

生活保護の窓口に来る方は特殊な方が多いというのは、見聞きしたことがあるので、おそらく対人関係で苦慮するのだろうなと思っていました。

生活保護業務の実態について

現在、違う部署に在籍して感じることは、生活保護業務は仕事としては簡単な部類となります。

仕事としては、ケースワーク業務に徹していれば他には何もいりません。

予算や契約だとか各課との調整だとか、ある種他の課では普通の業務がなく、面倒なことはありません。

ただただ生活保護者とのやり取りや保護費の計算をしていればいいのです。

しかし、やはり生活保護受給者との対人関係に悩まされることがあります。

生活保護受給者の担当者のことを『ケースワーカ―』と言い、ケースワーカーは受給者との対応や保護費の計算などを行います。

ケースワーカー一人当たり100人の生活保護者を担当する場合、そのうちの6~7割は65歳以上の高齢者であり、就労を求める対象ではありません。

ですから、業務としてどこに注力するかと言うと、65歳以下の方々にいかに働いてもらって、公金である保護費の支出を抑え、生活保護から脱却してもうらか、これに尽きます。

このように述べると、生活保護の業務としては単純に思われるでしょう。

では、業務としては簡単であるのに、なぜ人気のない、避けられる部署であるかを次に述べたいと思います。

ここが嫌だよ生活保護業務

ここからは、実際に私が生活保護業務を行ってきて、嫌だった業務や思っていたことを正直に話したいと思います。

嫌だった業務・思うこと

  • 電話・窓口対応(通常対応外)
  • 受給者の死亡後の対応
  • 身寄りのない高齢者への緊急時対応
  • 新規調査(保護申請をした方の受給可否の調査)
  • やりがいがない
  • 毎年同じことの繰り返しで手を抜く箇所が分かる

詳しくは今後のブログの中でお話できたらと思いますが、先ほども述べたように生活保護者の大半は高齢者です。

高齢者と言っても中には元暴力団員やアルコール中毒者、理不尽なことを言ってくる方もいます。

それは、若年層でも当てはまることですが、精神的な病気を抱えている方も数多く、正直話がかみ合わないことが多々あり、声を荒げる方も一定数以上にいるのが現実です。

それでも基本的に我々はじっくりと耐え、話を聞き続けなければなりません。

それが理不尽と分かっていても対応し続けなければなりません。

「それが仕事だろ」と言われればそれまでです。

しかし、他の職業でもそうだと思いますが、仕事と言っても我々も人間で感情があるため、職員の中には精神的に病み休職してしまう方も存在します

業務として対人関係の最前線であるため、リモートワークの制度があっても利用することができず、現場対応が求められます。

上記の状況が、生活保護業務の大変さ、職員が行きたがらない主な理由だと思います。

ちなみに6年間生活保護の仕事をしていて良かった点も述べてみます。

これは同じ行政に携わる方への情報提供となります。

良いところ

  • 自分のペースで仕事ができる
  • 休みが多く取れる
  • 自由に外出できる
  • 予算や契約行為など面倒な調整が必要ない

生活に困っている皆さんへ

現在、コロナ禍の影響を受けて仕事を退職せざるを得ない方が多くいらっしゃいます。

私が在籍していたときもコロナでの退職を理由に生活保護の申請に至ったケースを何度も見てきました。

雇用保険を将来的に受給できても、今現在収入がなくて生活に困っている方はぜひお住まいの福祉事務所に一度連絡をして下さい。

生活保護を受けるなんて恥ずべきものだと思っている方も数多くいらっしゃいますが、私が逆の立場(無職または低収入の状態)に陥ったら迷わず生活保護を申請します。

それくらい、生活保護を受けれらるかどうかのハードルは低いです。

自動車を持っていようが、すぐに現金化できない資産があっても、もう一度言いますが、

『今現在収入がない』状態であれば、ほぼ生活保護は受けられます。

本当は資産を全て清算してから申請に来てくださいと言いたいところではありますが、、、、

生活をしていくために借金をしても返済しなければならないため、生活が困窮する状態は変わりません。

むしろ、返済できなくなったときに延滞金に加算されたり、最悪、裁判所からの出頭を命じられたりと借金をしてもいいことはありません

これも今までの業務の経験から言えることです。

生活に困っている方は借金をせずに迷わず生活保護の相談をして下さい。

申請には準備・用意するものがあり、調査のため自宅に調査員が伺います。

話を聞いた上で申請することが面倒くさいなと思えば辞めればよいし、少しでもいいかなと思えば手続きを続行して下さい。

直接市役所に相談しにくい方は、お近くの司法書士や弁護士、NPO法人などの支援者となる者がお近くに必ずいますので安心して下さい。